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Q:
ボルネオアカメフグの生息地の情報を教えてください。
A:
ボルネオアカメフグは、ボルネオ島、サラワク州の固有種です。
大きな河川の河口から50-60kmあたりのジャングルの中を流れる川に生息しています。
川幅は約20mほどで白濁しており、日の当たらない流れの淀んだ木の根付近を好みます。
なぜか同じ川でも日の当たる場所には生息していません。
川の側面は粘土状の土がむき出しになっており、潮の満ち引きの影響を受け水位がかなり変化します。
川の水質は弱アルカリ性ですが、ジャングルの中にある弱酸性の水たまりにも生息しています。
なぜかというと、雨季で水位が上がっているときに川からあふれ出した水はジャングル中に広がり水たまりとなります。
乾季になり水が引いたときにジャングルの中のこうした水たまりに取り残される個体がいるためです。
このような水たまりは落ち葉のタンニンで紅茶色になり、水質は弱酸性となります。
そのような環境に生息しているため、幅広い水質に順応するようになったものと思われます。
Q:
先日お送りいただいているフグたちは元気によくご飯も食べてくれています(╹◡╹)西村さんの可愛がりもあって、ベタ慣れですね!ワイルド個体と違って前に来てくれることも多く、とても可愛いです! ショーテデニーに関してなのですが、水質は弱酸性の水が適正でしょうか…? テトラオドンといえとファハカやムブのイメージがあり弱アルカリ〜中性のの中硬水が好きなイメージがありましたが、お送りいただいていた袋の水は弱酸性〜酸性でしたので、現状は弱酸性で飼育しています。 より良い環境にて管理したいので、ご教授いただければ助かります…!
A:
ショウテデニィの生息域は、コンゴ川中流にあるマレボ湖、旧名スタンリープール(Stanley Pool)と呼ばれている場所です。マレボ湖のpHは6.5-6.7、管理下では、pHは6.5を切らないようにしたほうが良いでしょう。pH6.5-7.5でブリードした個体は、その環境で2019年から病気もなく繁殖にも成功しました。
コンゴ川を航空写真で見ると水に浸かった白い砂がタンニンで紅茶色に染まっている事が確認出来ます。私はアフリカのメダカの仲間の水質を参考に、流木、ヤシャブシなどでpH6.5前後で管理しております。
現地は流れが急で水に含まれる溶存酸素は高く、ショウテデニィも酸素を多く含む水を好みます。よって水流、エアレーションなどで酸素供給を多めにしてやると調子が良いように思います。また水は水温が低いほど酸素を多く含むことが出来るので、うちでは冬場24℃夏場26℃で管理しています。
Q:
サリバトールは情報が色々ありすぎて、水質は弱酸性のブラックウォーターで合ってるのでしょうか?それともボルネオアカメフグみたいに、慣れれば広範囲に適応するのでしょうか?
A:
サリバトールはボルネオ島のサラワク州の固有種、現地には何度か訪れ採集しましたが、弱酸性から弱アルカリ性どの水質にも生息していました。写真はサリバトールを採集したブラックウォーター、弱アルカリ性の川、中性の小川です。
漁師さんの話では、ボルネオアカメフグよりやや上流の少し透明度のある川幅が狭く浅くてボートでは行けない場所に沢山いると言っていました。雨季と乾期ではかなり水深に違いがあり、私の訪れた時期ではジャングルが雨季の水で沈んで木の枝に阻まれて、サリバトールの生息する場所までは残念ながら行けなかった思い出があります。
話を戻しますが、うちでは弱酸性でも弱アルカリでも飼育していますが、水質を急激に変化させなければ問題はありません。成長期は弱アルカリで飼育したほうが成長が早いように思われます。ちなみに稚魚の頃は弱アルカリの汽水で管理しています。